未来を見るなら、君と一緒に
陽くんがこんなにも頼りがいのある男の子になっていたかとにもびっくりしたけど。

でも、陽くんはなんだかあたしを光の差す方向へと導いてくれる気がした。



「あ……夜ご飯の材料なにもないや」



家に帰って、冷蔵庫を開けて食材が尽きていることに気がつく。



「買いに……」



行こうかと思ったけど、さっきの賢晴を思い出して、思いとどまる。



「いるよね……」



窓から外を見れば、やはりいつものように賢晴の姿がそこにはあった。

これでは外に出られるわけがない。

今日は夜ご飯は我慢か……っとため息をつくもそんなことお構いなしで鳴るお腹。



「久しぶりに働いたしなぁ……」



いままでは、何もしていなかった分大して食べていなくてもやってこられたし、食べても吐いてしまっていたからどちらでも同じだった。

でも、少しでも人の優しさに触れると、体は正直なようで。
今まではお腹が空いてなくても、無理やり食べていたけど今日は普通にお腹がすく。

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