未来を見るなら、君と一緒に
『陽くんもベッドで寝ればいいのに』



1度言ったことがあったけど、彼はかたくなにベッドでねようはしなかった。

あたしと陽くんは付き合っている訳ではない。
だから、遠慮しているのだろう。

一緒に寝たら、きっとそうなってしまう。
陽くんは、本当に真面目に考えてくれてるんだ。

実際、陽くんはモテると思う。
彼が入学してきたときは『あの子、超かっこいい!』なんて友達が騒いでいたし、結構告白されている場面を目撃したりなんかもした。

通った鼻筋に、切れ長の目。
ふわっとした猫っ毛が可愛らしい。
あたしも、陽くんがかっこいいことは認めてる。

でも、どうしてあたしなのだろう。
陽くんならいくらでも、女の子が寄ってくるだろうに。



「陽くん、準備できた」


「おう、行こうか」



あたしの部屋のソファーに座ってスマホを見ていた陽くんが、あたしの声に顔を上げる。



「なんか普段、俺の家ばかりだから潤の家って新鮮だな」


「たまには家にくる?」

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