未来を見るなら、君と一緒に
「よーし、気合い入れて応援するぞー」



ふたり分のチケットを陽くんが買ってあたしに渡してくれる。



「自分の分は払うよ」


「いいんだよ。ここは任せておけって」



ポンッとあたしの頭を撫でる。



「……ありがとう」



あたしは社会人で陽くんは学生なのに。
陽くんばかりに無理をさせているんじゃないかって不安になってしまう。

でも、陽くんの好意を無下にすることもできなくて。
結局あたしは今日も陽くんに甘えてしまう。



「陽ちゃん……?」



チケットに印字された席を探してるときだった。
キョロキョロしていると後ろから陽くんの名前が呼ばれて。



「え……?って、真凛(まりん)……」



振り向くと、そこには麦わら帽子を被って、ふわふわのパーマがかかったいかにも女の子って感じの子が立っていた。



「陽ちゃん、その人だれ……?」



陽くんの隣にいるあたしに目を向ける。



「え……っと、バイト先の人だよ」


「ねぇ、どうしてあたしじゃない人が隣にいるの?」

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