未来を見るなら、君と一緒に
3年生の1年を休業すれば、俺が戻ったときにはもう潤先輩は卒業している。
だから、もう会うことはない。



「……して」



光の部屋に様子を見に行ったある日、あまり話さない光の声を聞いた。



「光!?どした?」



俺はすぐさま光のベッドに駆け寄って、光の手を握る。



「ど、して……休学したの?」



ゆっくりと光がそう発した。



「俺だけがのうのうと学生生活送ってられないよ」


「……んで」


「ん?」


「同情のつもり!?」



光がそう感情をあらわにするはあれから初めてだった。



「そういうんじゃないよ……ほら、ご飯食べよ」



すっかり軽くなった光の体を起こす。



「……食べたく、ない」


「ダメだよ。ちょっとでも食べないと。ほら」



光のベットの横のサイドテーブルに母さんが用意したご飯の乗ったお盆を置く。



「食べさせてあげようか?」



俺の問いにふるふると首を横にふって、俺の手からスプーンを奪う。
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