未来を見るなら、君と一緒に
「陽くんにお願いがあるんだよねー」



バイト先まで歩きながら、瑠奈さんがそう口にする。



「……お願い事?」


「うん、ボディガード」


「はい?」



瑠奈さんの口から出た、自分に当てはまることのない言葉に耳を疑う。



「あたしの高校の後輩なんだけど……」


「はぁ」


「いろいろあって家から出られないみたいでね」


「……そうなんですか」



そういう話を聞くと、当時の光のことを思い出して、いたたまれない気持ちになる。



「で、その子PTなのよ」


「え?そうなんですか?」


「うん、だから陽くんの勉強にも役立てるかなって」


「それはありがたいですね」



俺は今、大学の授業がない曜日にバイトに行ってる。
将来も見据えた上で決めたバイト先だ。
というか、そこに介護士として就職したのがヤスで、俺にバイトしないかと持ちかけてきた。

俺が資格をとって卒業できれば、正式に雇ってくれるらしい。

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