未来を見るなら、君と一緒に
「……っ」



そうなると、必然と俺との距離がなくなるわけで、いままでにはなかった距離に言葉に詰まる。


「潤……ちょっと近いかな」



その距離がずっとなんて、当然慣れるはずもなくそう口にする。



「あっ!ごめん!目が悪くて……っ!」



慌てたように俺から離れる潤。



「いや、俺もごめん。なんか……照れちゃった」



お互いなんだか、そわそわした空気が流れる。


こんな空気が流れることなんて、絶対にないと思ってたし、というかそんな想像してもいなかった。


──潤。
そう呼ぶことにやっぱりドキドキしているけど。

でも、もう潤先輩だなんて遠いような言葉は口にしたくない。

潤。
そう口にすることで、広がる俺の潤への気持ち。
会えない間、募っていた気持ちは再び会っても消えることはないようだった。

隣で恥ずかしそうにしている潤が愛しくてたまらなかった。
このまま、俺が幸せにできたらどれだけいいか。
その願いは止まらなかった。

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