未来を見るなら、君と一緒に
「ん……美味しい!」



1度お互いの家に帰って再び集合した俺の部屋。

潤に電話をかけたところ、何も冷蔵庫にないというから俺の部屋に呼んだんだ。

俺の作ったカルボナーラを美味しそうに頬張る潤に思わず頬が緩んでしまう。



「どうやって覚えたの?」



何気ない潤からの質問だった。



「う、ん……。前に教えてくれた人がいて、ね」



教えてくれたとか、そういうんじゃないけど。
この話をすると暗い話題になってしまうから、言いたくなくて。
でも、あの当時のことを思い出すとやはり胸が痛くなる。

何も食べたくないという光が、俺の料理を食べてくれた。
それだけのことだった。

そしたら、もっと美味しく作りたい、光に食べてほしいってなんかこだわりなんかできちゃって。

いまこうして、1人で暮らしてるけど何ら困ることはない。

でも、やっぱりそれは元気のない光のためにやっていたことで。
どうしても当時のことを思い出すのは辛い。

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