君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
伊佐治さん、本当に手を回してくれたんだ。
お礼を言わなくちゃ。

しかし、『調子いい』って仕事のことか。
静香に意味深なことを言われたので焦ってしまった。


コーヒーをふたつ淹れて会議室に向かうと、悠馬さんが書類に視線を落としていた。


「サンキュ。今日は肌の艶がいいみたいだな」
「一ノ瀬さん!」


あぁ、からかわれてる。


「ま、俺も絶好調だけど。さて、仕事」


笑いを噛み殺しながらさらりとそんな告白をする彼にタジタジになりつつ、彼の向かいに座り相談を始めた。


「——広さはそのくらい必要だね。予算は俺が確保する。医薬品だから温度や湿度にも気を配れる倉庫が必要だ。ピックアップとその後の交渉は、北里に任せてもいいか?」
「はい。もちろんです!」


彼は私を成長させるために、初めての仕事でも任せてくれる。
だから、その期待に応えようと必死になれる。
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