君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「心配しないで、胸を張って友達に会っておいで。葉月が我慢する必要なんてないだろ?」


たしかに、哲也に遠慮してほしいくらいだ。
しかし彼は、素知らぬ顔をして出席しそうな人だし。


「……はい」


典子たち友達には会いたい。
だけど、気が重いのも本音だった。


「それじゃあ、準備しないとね」
「なんの?」
「同窓会の。一番きれいな姿を見せつけよう。本当は誰にも見せたくないけど」


彼は生き生きした表情で、どこかに電話を始める。


「俺。今日、これから空いてる? 一枚作ってほしいんだ。——それじゃ、二時間後に行く」


なにか約束をしている。


「食べたら出かけよう」
「どこに?」
「翔のとこ。同窓会用の洋服を作ってもらうように頼んだから」


翔さんって、デザイナーの弟さん?


「作ってって……」
「うん。オーダーしよう。どんなのがいいかな。翔のインスピレーションに任せるのが一番いいかもしれないけど」


オーダー? 既製品のワンピースでも十万超えてたのに、いくらするの?
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