君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「そんなことまでしなくても……」
「翔は、着る人の魅力を引き出すのがとてもうまい。だから、心配いらない」


そういう意味での心配なんてこれっぼっちもしていない。
以前買ってもらった洋服の数々も、本当に素敵だし。


「これをきっかけに、葉月が過去を振り返らなくてすむのなら、なんだってしたい。もちろんどんな洋服を着ていたって葉月はかわいいけどね。だけど、まだ不安があるのなら、勝負服を着ていけばいい。ゼネラル製薬に行ったときもそうしてただろ?」


そういえば、ゼネラル製薬に謝罪に行ったときも、ブランピュールのブラウスを纏って行った。

そのときは自分の気持ちを鼓舞させるためだったけれど、今回もそういう効果があるかもしない。

それに、哲也との過去にきっちり区切りをつけさせようとしてくれているのだとわかった。


「はい。ありがとうございます」
「うん。ほら冷めるから食べよう」


彼に促され、再びパスタを食べ始めた。
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