君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
そんなことを考えながらも立ち上がると、翔さんは私の全身に視線を這わせたままで測定しようとしない。

しばらくして、私の周りを一周した彼は、「少し失礼しますね」と肩に触れてきた。


「翔。触れるな」
「触れると骨格がわかるんですよ。肩だけにしておきますから、耐えてください、兄さん」


『耐えて』って……。
翔さんに触れられていることに嫉妬しているの? 洋服を作るためなのに?

そんなことを思うと、たちまち頬が赤らんでしまう。


「サイズはわかりました。八十、五十八、八十四くらいであってますよね?」


スリーサイズのこと? 
たしかにぴったりだ。見ただけでわかったの?


「は、はい」
「それじゃあ、今からデザイン画を描きますので、少しくつろいでいてくれますか?」


翔さんは私たちにコーヒーを出してくれたあと、ソファに座る私をチラチラ見ながらデザイン画を描き始めた。
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