君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
それから十五分。
彼は突然立ち上がり、部屋を出ていったかと思うと、何枚かの布見本を持って戻ってきた。


「デザインはこれでどうです?」


翔さんが見せてくれたデザインは、前面はポートネックタイプの素敵なパーティドレス。
しかしうしろは背中が大胆に開いている。


フレアのスカート部分は前は膝上十センチくらいだが、うしろが長くなっていて、とてもおしゃれだ。


「翔、肌を露出しすぎだ。背中は開きすぎだし、スカートももう少し長いほうが……」


悠馬さんが不機嫌な様子で口を挟む。


「兄さん、気持ちはわかりますけど北里さんは背中がしゃんとしていて立ち姿がとても美しい。そういう武器を前面に押し出せるようにするのが、俺たちの仕事なんです。足のラインも完璧です。いつもよく歩いている人の筋肉の付き方だ。これを見せないでどうします?」


あんなに短時間でそんなことまで観察されていたなんて。
一流デザイナー恐るべし。
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