君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
大きな挫折
——それは、二年半前のこと。
雪が降りそうに寒いその日は、一ノ瀬さんととある製薬メーカーを訪問していた。
その仕事が終わったのは十九時を回っており、直帰を決めた彼に誘われ夕食を共にすることにした。
彼が連れていってくれたのは、高級ホテル『アルカンシエル』の最上階にある普段は行かないような高級フレンチレストラン。
やはり御曹司は食べるものも違うのね、なんて恐縮しながら席に着いた。
「きれい!」
私が思わず声を上げたのは、大きな窓から見える夜景があまりにも美しかったからだ。
「こういうの好きか?」
「女の子なら誰でも喜びますって。一ノ瀬さん、こうやって女の子を口説くんですか?」
彼なら口説かなくてもあちらから寄ってきそうだけど。
「そうだなぁ。これから口説こうかな」
私?
彼が妙に真剣な眼差しを私に向けるので、顔が火照ってしまう。
冗談だとわかっていても、こんなにいい男にそんなことを言われては、皆こうなるでしょう?
雪が降りそうに寒いその日は、一ノ瀬さんととある製薬メーカーを訪問していた。
その仕事が終わったのは十九時を回っており、直帰を決めた彼に誘われ夕食を共にすることにした。
彼が連れていってくれたのは、高級ホテル『アルカンシエル』の最上階にある普段は行かないような高級フレンチレストラン。
やはり御曹司は食べるものも違うのね、なんて恐縮しながら席に着いた。
「きれい!」
私が思わず声を上げたのは、大きな窓から見える夜景があまりにも美しかったからだ。
「こういうの好きか?」
「女の子なら誰でも喜びますって。一ノ瀬さん、こうやって女の子を口説くんですか?」
彼なら口説かなくてもあちらから寄ってきそうだけど。
「そうだなぁ。これから口説こうかな」
私?
彼が妙に真剣な眼差しを私に向けるので、顔が火照ってしまう。
冗談だとわかっていても、こんなにいい男にそんなことを言われては、皆こうなるでしょう?