君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「なに言ってるんですか。一ノ瀬さんには相応の女性がいらっしゃるでしょう? こんなじゃじゃ馬に冗談言ってる場合じゃありません」
「俺に相応ってどういう子?」


彼にすかさず返され、返答に困る。


「うーん。もっとおしとやかで、上品で……お金持ち? 関係ないか」


一ノ瀬さんの隣に立つ女性像をいろいろ考えてみたものの、普段御曹司であることをひけらかしているような人ではなく、私たちと一緒に走り回っているので、そんな条件はどうでもいいように思えてくる。


「関係ないだろ。金持ちだからって興味はないし、そもそもそういうタイプが好みじゃなければ無理だ」
「一ノ瀬さんのタイプって、どんな人ですか?」


彼とこんなプライベートな話をするのは初めてだった。

仕事中は気を抜けないが、終わってしまえばとても話しやすい。

それは常日頃行動を共にして、互いの性格をなんとなく把握しているので、今さら取り繕う必要がないからなのかもしれない。
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