君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「それはよかった。北里ほどの人材がいなくなるのは痛手だからね」
「まさか。一ノ瀬さんならまだしも、私なんて」


そんなふうに言ってもらえるほど利益を上げているわけではないし。


「お前はまだこれからの人間だ。物を売るのは誰でもできる。だが、クライアントの役に立ちたいという熱い気持ちを持っている人間は少ない。結局生き残るのはそういうヤツだ」


私がそれに当てはまると言ってくれているの?

たしかに、クライアントがなにを求めているのか考えるようにしているし、役立てたときは飛び上がるほどうれしい。


「北里は、持っているラインナップからクライアントに合うものを探すだけじゃない。もしもなければあきらめるところを、メーカーに作らせてでも調達しようとする意欲が素晴らしい。結果、制作する側のメーカーも潤って、ウインウインだしね」

「それは、一ノ瀬さんを見ているからです」
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