君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
彼がそういう姿勢なのだ。
多少希望するものに合致してなくても近いものを売る先輩もいる中で、彼は“なければ作ればいい”の精神で動く。


「俺も少しは役に立っているんだな」
「少しどころじゃありません。大尊敬です」


彼の下に付いたとき、その厳しさを知る人からは『かわいそうに』とか『つぶされるかも』なんて言われたこともあった。

しかし私は、彼に仕事を教えてもらえたことを感謝してる。

それに、三谷商事を守るために必死に高みを目指す彼の志に激しく共感している私は、彼の成功のひとつの歯車になりたいとさえ思う。


「じゃあ、多少は惚れる要素があるってこと?」


彼が瞬きすることもなく私を見つめ続けるので、鼓動がたちまち速まりだしてしまう。


「なに言ってるんですか? それ、炭酸水ですよね。酔ってないでしょ?」


車だからアルコールを断ったけど、こっそり飲んでないよね。


「酔ってないよ。北里に聞いてみたかっただけ」
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