君を愛で満たしたい～御曹司のとろ甘な溺愛～

「曽根部長のあとを引き継ぎ、ライフテクノロジー事業部を三谷商事の看板事業にできる規模まで持っていく所存です。皆さんの力を貸してください」
「はい！」
「曽根部長、お世話になりました」


次に一ノ瀬さんが曽根部長をねぎらうと、一斉に部署の皆が頭を下げる。

初めて一ノ瀬さんに会った人も多いのに、あっという間に部署の陣頭指揮を執っている姿があっぱれだった。


「今後も期待しているぞ。引継ぎのために数日残るが、この瞬間からきみたちのボスは一ノ瀬くんだ。彼の指示に従ってくれ」


曽根部長の発言に、皆の表情も引き締まる。


「商社は物を売るだけではない。アイデアを売るんだ。それぞれが得意な分野ではクライアントと対等に話ができるように勉強を怠ることなく精進してほしい。俺は新人だろうができると思った人間にはどんどん仕事を振るつもりだ。期待しています」


眼光鋭い一ノ瀬さんが発破をかけると、皆の顔にやる気がみなぎった。