君を愛で満たしたい～御曹司のとろ甘な溺愛～

「初めまして、町田です。一ノ瀬さんの噂はかねがね耳にしています。よろしくお願いします」
「どんな噂だろう。北里、余計なことは言ってないだろうな」
「えっ？　時々雷が落ちるとしか」


私がそう伝えると、一ノ瀬さんはクスッと笑っている。


「それじゃあ、期待に応えて落とさないと」
「結構です！」


イジワルな笑みを浮かべる一ノ瀬さんに向かって首を振る。


「随分仲がよろしいんですね」


町田さんが指摘してくる。


「あぁ。北里のことが大好きで」
「ちょっと、適当なこと言わないでください。一ノ瀬さんは私の教育係でいつも一緒に仕事をしていたからですよ！」


朝、伝えたと思うんだけど。

それに、刺されかねないんだからやめてほしい。
ほら、今だって女子社員がこっちを見てる。


「そんなに思いっきり否定されるとへこむな。なあ、町田」
「ですね。一ノ瀬さんがフラれるということは。俺なんて眼中にないですもん。仕事が恋人なんてもったいないと思うんだけどな」