愛してるのに愛せない。
1時間くらいしたら帰ろうと決め、携帯を開き、姉にメールを送る。

『話が終わったら教えて。』

そう送ると、ゲームをしながら時間が過ぎるのを待った。

ーーーーーー・・・・・
あれから、
約30分後、まだ姉からの連絡はない。
30分じゃ話も終わらないか。と思い伸びをすると、誰かが来店したことを教える店員さんの声。

「あ、お疲れ様です。」

それと、誰が来たか教えてくれる下っ端の声。

「おう。」

そう返事をしたのはどうやら陸さんのようだ。
私の席は喫煙席の近くなので声がよく聞こえる。

「どうでした?」

「見つけたよ。今二人で話してる。」

「そうですか。」

重苦しい空気。
そうか、まだ話してるのか。
返信のないメールを見ながらそう思う。

ふと、竜王の顔を思い出した。
あの切なそうな表情を・・・。
本当に姉を愛してくれていたんだな。と思わせる表情だった。

「・・・・。」

窓の外を見ると、いつの間にか太陽は雲に隠れ、より一層どんよりとした天気になっていた。

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