愛してるのに愛せない。
顔をそっと上げると、後ろには、海斗さんが立っていた。

「・・・大丈夫?」

悲しげに見つめられる。

「・・・大丈夫です。」

ニヘラ・・・と笑って見せた私の隣に座ると、海斗さんはゆっくりと話始めた。

「みんな、困惑してるんだと思う。
小百合ににているし・・・急に紹介されたし・・・。
俺らにとって4年の月日は短いんだ。」

「・・・・。」

「・・・あいつら本当はいい奴等なんだ!
だから!!「海斗さん」

「・・・・。」

「私、別にみなさんのこと恨んだりしませんよ。何があっても・・・。
前の姫に似ているのは仕方ないと思って諦めてますし、みなさんの認められないのも分かってここにいます。
だから大丈夫です。」

そう笑いながら、私は握り拳にまた力を入れた。

「・・・血が・・・。」

ポタポタと砂浜に私の血がたれていた。
ゆっくりと私の手を取り開かせると、私の腕を掴んで倉庫へ戻る。

「海斗さん?」

奥の部屋には治療道具が置いてあった。

「ごめん。・・・ごめん。」

そう何度も繰り返し謝る海斗さんに私は返事をしなかった。
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