愛してるのに愛せない。
「じゃあ、送るよ。」

そう言ってくれた海斗さんに連れられて、倉庫を後にする。

「着いたよ。」

「ありがとうございました。」

そう言ってお礼を言うと、海斗さんは私が角を曲がるまで見ていてくれる。
私が角を曲がると、どこかへ走り去る。

「ただいま。」

「お帰り。また倉庫？」

「うん。」

姉は、あの日から私が竜鬼ろ関わっても何も本当に言ってこない。
でも、心配そうにしている。

「・・・ちゃんと、咲とは話して分かってもらったからね。」

姉は、私が代わりになっているのを気づいているからなのか、顔を合わせると同じことを言ってくる。

「分かってるって。」

私の返答も変わらない。

ご飯は基本倉庫で食べることが多い。
ここ最近、家で食べていない気がする。
家に帰ると、気を張っているせいか、お風呂に入るとすぐに眠くなる。
おかげさまで夜はぐっすり眠れている。
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