愛してるのに愛せない。
「何よ。」

不思議そうに私を見る姉。

「・・・あの・・さ?」

戸惑いながら口にしようとした言葉は、

「ただいまー。」

「お帰りー。」

姉の旦那の帰宅によって消え去った。

「お帰りなさい。ご飯食べる?」

「あ、お願いしてもいい?」

「うん。」

旦那の分のおかずも温め始めた私に、

「で?」

姉が声をかける。

「あー・・・なんだっけ?」

「は?」

「忘れた。」

てへ?っと笑って見せた私に呆れた表情を見せる姉。
今はいいか。と、そんな姉を見て、思った。
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