愛してるのに愛せない。
そう言いながら
「え・・・!?」
私の左手首は掴まれた。
「・・・え。」
後ろにいた男の人たちも私を見る。
一瞬静まり返る。
「・・・あの・・・。私、小百合じゃないです・・・。」
その沈黙を破ったのは私だった。
フードの人は、はっ!とすると、
「・・・すまない。探している者に似ていたので・・・。」
そう言って手をそっと離した。
「いえ・・・。」
似ていてもおかしくはないしね。
小百合は私の姉なのだ。
ふと、男の人を見上げると、はらり・・とフードが取れた。
「・・・竜王。」
思わず洩れた声。
その声に、後ろにいた二人は、困ったように頭
を掻いた。
面倒な女に絡まれるとでも思ったのだろう。
よく見れば、二人は、竜鬼の幹部と副総長だった二人だ。
「・・・じゃ、私はこれで。」
そう言って歩きだした私に驚いた顔をした二人。
私は、確かに竜王は憧れの存在。
でも、だからと言ってゆきのようなミーハーではない。
しかも、姉の元彼など余計に気まずい。
さっさと帰ろうと思ったのもつかの間。
急にズキンッと左手首に痛みが走った。
思わず足を止めて、パーカーの袖を捲ってみると、赤く擦り切れたような痕があった。
よほど焦っていたのか、意外と強い力で握られてしまったようだ。
服に擦れると痛む。
「え・・・!?」
私の左手首は掴まれた。
「・・・え。」
後ろにいた男の人たちも私を見る。
一瞬静まり返る。
「・・・あの・・・。私、小百合じゃないです・・・。」
その沈黙を破ったのは私だった。
フードの人は、はっ!とすると、
「・・・すまない。探している者に似ていたので・・・。」
そう言って手をそっと離した。
「いえ・・・。」
似ていてもおかしくはないしね。
小百合は私の姉なのだ。
ふと、男の人を見上げると、はらり・・とフードが取れた。
「・・・竜王。」
思わず洩れた声。
その声に、後ろにいた二人は、困ったように頭
を掻いた。
面倒な女に絡まれるとでも思ったのだろう。
よく見れば、二人は、竜鬼の幹部と副総長だった二人だ。
「・・・じゃ、私はこれで。」
そう言って歩きだした私に驚いた顔をした二人。
私は、確かに竜王は憧れの存在。
でも、だからと言ってゆきのようなミーハーではない。
しかも、姉の元彼など余計に気まずい。
さっさと帰ろうと思ったのもつかの間。
急にズキンッと左手首に痛みが走った。
思わず足を止めて、パーカーの袖を捲ってみると、赤く擦り切れたような痕があった。
よほど焦っていたのか、意外と強い力で握られてしまったようだ。
服に擦れると痛む。