恋。
私とあの方とでは、まず、身の上が違いすぎます。
世界的にも有名な小説家。
元々の、裕福な家庭生まれ。
対する私は、無名どころか、まだほんの学生。
子供なのです。
身なりだけは一丁前に裕福さを装い、学校の友人からも、「お嬢様だね」等と言われることは多々ありますが、本当にそうかと言われると、実に怪しいところがあります。
あの方と結婚した人が羨ましい。
あの方の傍にいる事が出来た人が羨ましい。
あの方と共に死ぬ、死んだ人が羨ましい。
私には到底できないことを成し遂げた女の人が羨ましくて仕方がないのです。
溢れる想いは止まらず、絶えず、泉のように私の心から飛び出してきます。
文字に表していないと、気が滅入っちゃいそうなくらい。