恋。



私のこの恋には、夢も希望もあったものではありません。


どんな人に恋をしているのか知らない人は、きっと、
「何、身分が違ったって諦めるなよ」
「信じていれば、きっと が存在するかもしれないじゃないか」
「最初から、叶わないなんて決めつけるのがわるいんだ」
等とおっしゃるかもしれません。


ですが、本当なんです。
本当に叶わないのです。


そんな事を言われたおりには、よくもまぁ、そんな呑気なことを私に向かって…
等と思ってしまうでしょう。
きっと、思います。
思うに違いないんです。


ただの片思いならこんな苦労はしないでしょう。
少しでも希望の光があるのなら。
少しでも可能性という言葉を信じられるのなら。


私には、希望の光もおろか、可能性も無いのです。
ゼロなのです。


< 6 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop