九月一日〜朝から晩まで~


「そお?
これ、俺のお姉ちゃんのクレカ。
って言ったら、信じる?」

「信じない。
…でも、そうなの?」

あらゆる言葉に翻弄されてくれるから、
笑えてきた。

「俺の兄弟、
クソ生意気な妹しかいないんだった」

「…ムカつく。
前から思ってたけど、
生徒からかうのやめなよ。
はい、服!」

ただの願望だ。
ずっと姉が欲しかった。

「そうだ…頼んでた。
ちゃんとコーディネートしてくれたんだろうな…」

一抹の不安がよぎる。

「それね!
そこそこ自信ある感じ!」

「期待値上げやがる…」

店の外周のトイレで着替えをして出てくると、
助手席の紗良は膝を抱えて指差し、
爆笑した。


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