九月一日〜朝から晩まで~
反射して映る彼女は、
冷たい態度に落ち込みもせず、
楽しくて仕方の無さそうな笑顔だ。
十七歳の歳に、
学校に足が向かないなんてことは、
自分にはなかった。
多少の悩みがあった気もするが、
思い出せない。
だからこの年齢になっても、
毎朝そこに通う仕事を選んだと言ってもいい。
マナーモードの携帯は、
スーツの胸の内側で、震え続けている。
始業式に無断欠勤の教師と、
一学期から登校拒否中の女子生徒。
そこに居ない場合、
どちらの罪が重いのかは明白だ。
連れてきて然るべき立場の人間が、
連れ去ってどうするんだと…。
「先生…!」
「あぁ?
その呼び方はヤベーよ?」