九月一日〜朝から晩まで~
「もったいないお化けが出る」
「そしたら自分のに入れたらいいでしょ!?
あーあ…紗良、
ブラックで飲みたい気分だったのにぃ…」
アイスコーヒーもそこまで薄まれば、
どんな味でも美味くはなさそうだ。
紗良はようやく、
それに口をつけている。
こんなところで背伸びせずとも、
これから苦味はたくさん味わう。
勝手に死んで楽になるなどと舐めた真似を、
させてなるものか。
「ごちそうさまでした」
「おうよ。金蔓だからな。
服の礼はないのか、
なんて思っても言わないんだぜ」