九月一日〜朝から晩まで~
「お尻、火傷したかも…。
アオくんだけ平気なんて、
ズルい…」
「おかげさまで…」
セレクトしてもらったコスプレデニム、
最強だった。
「これさぁ…。
このダンボール、
敷けってことなんじゃね…?」
息も絶え絶えなこちらのことなど気にせず、
紗良はすっかりご機嫌を取り戻している。
「ほんとだ!気づかなかった…。
もう一回やらなきゃだ」
「………」
「セット、OK!いい感じ。
せーの!」
最初のカーブで、
連れのいないことに気がついた紗良に、
笑顔で手を振った。
「裏切り者ぉ…!」
悲鳴に似たクレームが遠ざかり、
見えなくなった。