九月一日〜朝から晩まで~
明日。
クビになってしまっていたら。
あれだけ待っていると言っていた学校に、
自分はいないかもしれない。
肩を掴み起こすと、
紗良は静かに泣いている。
だが嘘泣きをされた時と違い、
泣き止ませることは出来る。
「おまえ、笑ってるほうが可愛く見える」
急いで涙を拭い始めた。
今度は思ってないことを言うなと、
紗良は言わなかった。
本心を見抜かれているのが、
微妙に癪だ。
か細い女子高生に押し倒されたままなのも、
気分が悪い。
ぞんざいに自分の髪の砂をはたく。
「…あとなんだ。
帰りたくない?」
「一緒にいたい…」