九月一日〜朝から晩まで~
おしゃべりな唇に、
何度も何度も口付けた。
腕の中の檻に閉じ込められ、
それでも安心出来ないのか、
全身で絡みついてくる。
輪郭をなぞり、
たどり着いた耳に囁く。
「いきなり、黙んな…。
なんか喋ってろよ」
「好き」
告げてくる言葉をまだ、
口にしていなかった。
「…先に、言うんじゃねぇ…」
「大好きは?」
「それも」
「その次は?」
その挑む目が、まったく忌々しい。
「…。愛、してる…」
「紗良も」
なんの冗談だと笑い飛ばしたいのに、
真剣な表情がそれを拒否した。