九月一日〜朝から晩まで~
第7章 逃避行-言えない関係
始発駅のコインロッカーの前に立つ女子高生は、
無邪気に手を振っている。
それはもう、完璧な十七歳。
高校生同士で仲良くしようが知ったことではないが、
いい歳した大人が手を出して良い年齢の女ではない。
学校制服の醸し出す絶望的な背徳感に、
ひどい吐き気を催した。
最初に出てきたスクールバックを後に放り、
もはや懐かしい上着を取り出す。
「アオくんて、
スーツだと真面目そうだね?」
「そうだろ?
今から、先生って呼べよ。
おまえは、ほんと無駄に制服似合うな。
…、吐きそう…」