九月一日〜朝から晩まで~
「通勤途中で熱中症。
知り合いのうちで休ませてもらってぇ…、
目が覚めたら夜でしたー………」
そんなやついない。
電話の一本出来ない時点で、
社会人失格だ。
「ないわ」
絶対無理だと青ざめるこちらに対し、
紗良は感動した様子で拍手をした。
「それ完璧過ぎ!
熱中症流行ってるし、いけるよ。
紗良だったら、
怒らないで心配しちゃう」
「おまえが、
教頭先生だったら良かった…」
「はぁあ!?
あんな鬼ババと一緒にしないで!」
あのお方のことは美魔女と呼べ、
と言いたいがやめる。
明らかに不毛だ。