九月一日〜朝から晩まで~
「先に帰れ。俺は次の電車にする。
…いいか?一人で線路見ても、
変な気起こすんじゃ…あ、…」
人気のない始発駅に忍び寄る、
怪しい二人組の影。
二人は乙女走りで駆け寄って来ると、
紗良の手を握り、再会を喜んだ。
「ほら、言った通りだったでしょ!?
制服、可愛いわねぇ。
我慢出来ないわよ、これじゃ」
「あたし達、帰るところだから。
あなた、マグロ食べた?
えっ、どうして食べないのよ!」
反論したいことはある…。
だがこれも、
明らかに不毛だ。
「紗良もお腹減ったなぁ…
それに、…なんか、眠い。
先生、電話するね。ばいばーい」