九月一日〜朝から晩まで~
呼び名を戻すのが、少し早かった。
二人の目が輝いた。
「飴ちゃん食べなさい。飴ちゃんあるから!
…あら?
イケメン先生、乗らないの?」
「バカねぇ!一緒はまずいのよ。
人に言えない関係だもの。
サラちゃんは、おばちゃん達と帰りましょ」
…その通りだ。
それに関してはもう、
言い訳の余地もない。
「で?先生とは
いつから付き合ってるの?」
「さっき?」
聞くな。
…いや、もうそれでいい…。
「…まぁーーー!?詳しく聞かせて。
あ、先生、またね!」
閉まる列車の中から飛んできた、
寝ぼけまなこの投げキスを、
大雑把に顔の前で振り払う。