天才策士は一途な愛に跪く。
「あんた・・!!
山科メディカルでもモテてるのか・・。
しかも金髪のイケメン外国人て・・羨ましすぎでしょ!!
ちょっと、人生変わってよ!!」
「何言ってるのよ、遥!!・・モテてんじゃないの、揶揄われてるんだって!!」
パンツスーツ姿で、髪を振り乱しながらアオイの青い瞳をうっとり見ている
遥に私は苦く笑う。
「あははは、チーフの友達は面白いね。」
「あのね・・。アオイ君、いつもの軽口は禁止だよ?今日はオフィシャルだってば。」
遥の前でもいつものように揶揄うアオイに白い目を向けた。
出会ってからのアオイは人前にも関わらず、真っ向からアプローチをしてくる!!
外国人て情熱的だって片付けられない、距離感だ。
心底嫌そうな私の反応を楽しんでいるに違いない・・。
その影響か、気のせいか聖人の表現も2人の時は距離を詰めてくるように
いきなりキスしたり・・。
スキンシップが過剰で、心臓が壊れそう。
モテる男の精神構造はいつになっても謎だ!!
聖人も、アオイも、瑠維も・・。
私には時々宇宙人だもん!!
舞台そで付近に立つ聖人は、二条慧と親密な様子で話しをしている様子だった。
青いネクタイに、落ち着いたチャコールのスーツが聖人の綺麗な瞳や髪の色に生えて美しい。
横に並ぶ、漆黒のスーツを着た、二条慧の吐出したスタイルの良さ秀麗さも一目を引く。
広い会場の何処にいても、山科聖人と二条慧の2人は目立っていた。
「おっす・・。どうした、遥も晶もアホ面晒してるけど、もう酔ってんのか?」
珍しくタキシード姿の瑠維が、現れる。
いつものゆるいパーマではなく、カッチリと纏めて丹精な顔立ちが露わになっていた。
童顔でアイドル系ではなく、大人の俳優系の落ち着いた雰囲気に驚いた。
「はー・・。登場から失礼ね!!もう、瑠維こそ!!馬子にも衣装だってば。」
私は、ため息交じりに瑠維を見上げた。
「はははは、衣装が俺に負けてんだろ。見る目ないなぁ・・。
晶も、衣装似合ってるぞ!!そのスーツ姿、めちゃくちゃ綺麗だよ!!」
「えっ!?そこ、褒めるんだ・・。」
面を食らった私は、不愛想に「あ、そりゃどうも。」
と瑠維に返すと両手を横に上げたポーズで私を見た。
感じ悪っ・・。
「遥もいつも通りだな・・。たまには女っぽい恰好したらどうだよ。」
「仕事で来てんのよ!!唯一女っぽい、ピンヒールで蹴り上げるわよ?瑠維!!」