天才策士は一途な愛に跪く。
「・・同級生だったけど、久々に会ってみて
彼の存在感に圧倒されている自分がいるの・・。
そもそも彼が本物の彼なのかもわからないぐらい。」
私は呆然としたまま。
まるで、夢の中にいるような現実感のない状態にいた。
まだ自分の目の前に山科 聖人が現れたことが信じられない・・。
「は?何だよ、それ・・。」
「だって、そのくらい信じられないんだもん・・。」
嬉しいけど、何処か複雑な感覚だった。
「いいのか!?
山科聖人って・・。
多分だけどさ、
・・お前がずっと好きで好きで、忘れられなかった奴だろ。」
その言葉に私の眉はピクリと引きつる。
瑠維とは何でも話し合える仲間の一人だったから、
学生時代に一緒に行った合宿の時に
みんなで初恋話を打ち明けたことがあった。
私は誰とも付き合う気がなくて、恋愛そのものから逃げてばかりいた。
家庭環境から来るものと、
忘れられない想いがずっと胸の中で燻っていたのだった。
「なぁ。なんでお前、誰とも付き合わないの?
同性愛者なのかって疑惑まで出てるぞ!!
この際、言ってみろよ晶!!マジで、みんな心配してんだよ・・。」
私の親友の賀川 遥と、瑠維の親友である田辺 怜は同じゼミで仲が良く
今もよく飲みに行くような関係だった。
その4人で夏合宿の夜は、はしゃいで眠れずに朝までそれぞれの恋バナをした。
いつも裏表がなく全力でぶつかってきた瑠維の問いかけで、
素直に山科聖人の話をすることが出来たんだ。
「うん・・。彼が私の初恋の人だけど。」
足が重くて地面に繋がれているみたいに窮屈だった。
死んだと聞いていた彼が、生きているとつい最近知った。
会いたかった・・。
現実味のない感覚にただ立ち竦んでいた。
「「うん」て他人事だな・・。
ずっと好きだった奴に、せっかく会えたんだろ!!?
俺になんかいつでも会えるんだから行けって!!
また二度と会えなくなったらどうすんだよ・・・。」
大きな赤い扉の先に消えた聖人を想った瞬間に涙が出た。
また会えなくなったら・・・。
二度と山科君と会えなくなったら私は・・・。
そんなの、耐えられるの?
一気に体温が失われて、寒気を覚えた。
満天の星空が広がる長野での合宿施設で空を見ながら
瑠維は気だるそうにため息をついていた。
「何でそんな奴に拘るかなー。
急に何も周囲に言わずいなくなる奴なんてただの自己中男じゃん。
晶のこと幸せにしてくれるやつ他にもいるだろ。」
彼の存在感に圧倒されている自分がいるの・・。
そもそも彼が本物の彼なのかもわからないぐらい。」
私は呆然としたまま。
まるで、夢の中にいるような現実感のない状態にいた。
まだ自分の目の前に山科 聖人が現れたことが信じられない・・。
「は?何だよ、それ・・。」
「だって、そのくらい信じられないんだもん・・。」
嬉しいけど、何処か複雑な感覚だった。
「いいのか!?
山科聖人って・・。
多分だけどさ、
・・お前がずっと好きで好きで、忘れられなかった奴だろ。」
その言葉に私の眉はピクリと引きつる。
瑠維とは何でも話し合える仲間の一人だったから、
学生時代に一緒に行った合宿の時に
みんなで初恋話を打ち明けたことがあった。
私は誰とも付き合う気がなくて、恋愛そのものから逃げてばかりいた。
家庭環境から来るものと、
忘れられない想いがずっと胸の中で燻っていたのだった。
「なぁ。なんでお前、誰とも付き合わないの?
同性愛者なのかって疑惑まで出てるぞ!!
この際、言ってみろよ晶!!マジで、みんな心配してんだよ・・。」
私の親友の賀川 遥と、瑠維の親友である田辺 怜は同じゼミで仲が良く
今もよく飲みに行くような関係だった。
その4人で夏合宿の夜は、はしゃいで眠れずに朝までそれぞれの恋バナをした。
いつも裏表がなく全力でぶつかってきた瑠維の問いかけで、
素直に山科聖人の話をすることが出来たんだ。
「うん・・。彼が私の初恋の人だけど。」
足が重くて地面に繋がれているみたいに窮屈だった。
死んだと聞いていた彼が、生きているとつい最近知った。
会いたかった・・。
現実味のない感覚にただ立ち竦んでいた。
「「うん」て他人事だな・・。
ずっと好きだった奴に、せっかく会えたんだろ!!?
俺になんかいつでも会えるんだから行けって!!
また二度と会えなくなったらどうすんだよ・・・。」
大きな赤い扉の先に消えた聖人を想った瞬間に涙が出た。
また会えなくなったら・・・。
二度と山科君と会えなくなったら私は・・・。
そんなの、耐えられるの?
一気に体温が失われて、寒気を覚えた。
満天の星空が広がる長野での合宿施設で空を見ながら
瑠維は気だるそうにため息をついていた。
「何でそんな奴に拘るかなー。
急に何も周囲に言わずいなくなる奴なんてただの自己中男じゃん。
晶のこと幸せにしてくれるやつ他にもいるだろ。」