天才策士は一途な愛に跪く。
入り口前で大声で叫ぶ瑠維に、私は目をぱちくりさせた。
「えーと・・。まぁ、昨夜の事ですが。
階段踏みはずしちゃって、うっかり落下を・・。」
マリンスポーツをする予定だったので、短めのTシャツにスニーカーを履いて
ラフなショートパンツ姿の私は、注目を浴びる周りの視線を気にしながら、瑠維に説明した。
「はぁ?馬鹿なのか!?
階段なんて落ちないだろ、普通!!
小さい子供でも落ちないっつーの。」
「はぁ??そこまで言うことないでしょ。ドジなのは自覚済みだってば!!
朝から大声で叫ばないでよ。朝から血圧高いなぁ!!」
「まぁまぁ・・。瑠維もさ、怪我人相手に
精神的ダメージまで加算しなくてもいいだろ。」
怜は必死で私のフォローに回ってくれた。
低血圧で寝起きに時間がかかる遥が、
左端のエレベーターから降りてくるのが横眼に見えた。
「だから、どうやったらそんな怪我するんだよ。
どうせ前見てなかったんだろ!?ちゃんと足元見て降りろって・・・。」
瑠維が言い終わる前に私の足は動いていた。
・・ゲシッ!!
膝裏に重いのを一発入れる。
「いっ!!・・いってーな!!今、思い切り蹴っただろ!?」
私は瑠維を一瞥してプイッと顔を反らした。
別に落ちたくて落ちた訳じゃないし。
怪我したくてこんな怪我した訳じゃないわよ!!
私は空腹もあって腹立たしかった。
「遥も来たし、お腹すいたし。ほら、瑠維も行くよ!!早く入ろー。」
怜が受付を済ませてくれてウェイターに案内をお願いした。
まだ足を押さえて悶えている瑠維を置いて中に入った。
「おいっ!!晶、お前な・・。待てってば!!」
「別に骨折れてないし、大丈夫だってば!!
余計な心配しなくていいってば。」
舌を出すと、少しだけ瑠維の頬が綻んで笑い出した。
「はー・・。ホント、可愛くねぇな・・。ったく。」
ブツブツ呟く瑠維を無視して、席に着いた私はビュッフェのメニューを遠目から
確認していた。
腕と背中はまだ少し痛いけど大丈夫だ。
早めに処置してもらったことに感謝だわ・・。
食事中も時折チラチラこちらを気にする瑠維を遥と怜でからかわれていた。
真っ赤になって怒っている瑠維をおもちゃにしている様子だった。
昨夜の事が嘘のように楽しく朝食を取ることが出来た。
この怪我のお陰(?)で話すのも気まずいかと思っていた
瑠維との会話が自然にできた。
「ねえ!!だから私、朝は苦手だって言ってんじゃん。学習しないなぁ!!」
遥の皿に勝手に料理を追加した瞬間に喧嘩が勃発したようだった。
「ちゃんと食べなきゃ動けないっつの!!どうせダイエットだろ・・。
別に大して変わらないのに・・。」
「はーー!?今の聞いた!?ねえ、晶っ。
瑠維は乙女の共通の敵よね!!最低!!」
「・・そうだね。瑠維にデリカシーは1ミクロンもないよ。やっちゃえ遥!!」
クスクス笑いながら答えた。
「何だよ!?事実だろ・・。
あっお前、遥!!それ俺が嫌いなグリーンピース!!」
「子供かよ・・。落ち着けよ2人とも・・・。」
怜も呆れた様子で笑っていた。
「良かった・・。」
私はボソッと呟くと、また喧嘩を始めた様子の瑠維と遥のやり取りを
笑顔で眺める。
いつもの瑠維と変わらぬ様子に私は心からホッとしたのだった。
「えーと・・。まぁ、昨夜の事ですが。
階段踏みはずしちゃって、うっかり落下を・・。」
マリンスポーツをする予定だったので、短めのTシャツにスニーカーを履いて
ラフなショートパンツ姿の私は、注目を浴びる周りの視線を気にしながら、瑠維に説明した。
「はぁ?馬鹿なのか!?
階段なんて落ちないだろ、普通!!
小さい子供でも落ちないっつーの。」
「はぁ??そこまで言うことないでしょ。ドジなのは自覚済みだってば!!
朝から大声で叫ばないでよ。朝から血圧高いなぁ!!」
「まぁまぁ・・。瑠維もさ、怪我人相手に
精神的ダメージまで加算しなくてもいいだろ。」
怜は必死で私のフォローに回ってくれた。
低血圧で寝起きに時間がかかる遥が、
左端のエレベーターから降りてくるのが横眼に見えた。
「だから、どうやったらそんな怪我するんだよ。
どうせ前見てなかったんだろ!?ちゃんと足元見て降りろって・・・。」
瑠維が言い終わる前に私の足は動いていた。
・・ゲシッ!!
膝裏に重いのを一発入れる。
「いっ!!・・いってーな!!今、思い切り蹴っただろ!?」
私は瑠維を一瞥してプイッと顔を反らした。
別に落ちたくて落ちた訳じゃないし。
怪我したくてこんな怪我した訳じゃないわよ!!
私は空腹もあって腹立たしかった。
「遥も来たし、お腹すいたし。ほら、瑠維も行くよ!!早く入ろー。」
怜が受付を済ませてくれてウェイターに案内をお願いした。
まだ足を押さえて悶えている瑠維を置いて中に入った。
「おいっ!!晶、お前な・・。待てってば!!」
「別に骨折れてないし、大丈夫だってば!!
余計な心配しなくていいってば。」
舌を出すと、少しだけ瑠維の頬が綻んで笑い出した。
「はー・・。ホント、可愛くねぇな・・。ったく。」
ブツブツ呟く瑠維を無視して、席に着いた私はビュッフェのメニューを遠目から
確認していた。
腕と背中はまだ少し痛いけど大丈夫だ。
早めに処置してもらったことに感謝だわ・・。
食事中も時折チラチラこちらを気にする瑠維を遥と怜でからかわれていた。
真っ赤になって怒っている瑠維をおもちゃにしている様子だった。
昨夜の事が嘘のように楽しく朝食を取ることが出来た。
この怪我のお陰(?)で話すのも気まずいかと思っていた
瑠維との会話が自然にできた。
「ねえ!!だから私、朝は苦手だって言ってんじゃん。学習しないなぁ!!」
遥の皿に勝手に料理を追加した瞬間に喧嘩が勃発したようだった。
「ちゃんと食べなきゃ動けないっつの!!どうせダイエットだろ・・。
別に大して変わらないのに・・。」
「はーー!?今の聞いた!?ねえ、晶っ。
瑠維は乙女の共通の敵よね!!最低!!」
「・・そうだね。瑠維にデリカシーは1ミクロンもないよ。やっちゃえ遥!!」
クスクス笑いながら答えた。
「何だよ!?事実だろ・・。
あっお前、遥!!それ俺が嫌いなグリーンピース!!」
「子供かよ・・。落ち着けよ2人とも・・・。」
怜も呆れた様子で笑っていた。
「良かった・・。」
私はボソッと呟くと、また喧嘩を始めた様子の瑠維と遥のやり取りを
笑顔で眺める。
いつもの瑠維と変わらぬ様子に私は心からホッとしたのだった。