逃げないでよ、望月



「ていうか、めっちゃ人集まってきてるからそろそろ教室行かない?」



まだ疑問は解消されていないけど、


羅衣にそう提案されたことで、すごく見られていることに気がついた。




「そうだね。先輩にも超人気の望月とちかが一緒にいるんだもんね。」


「え?私も?私のこと知ってる人なんていないよ。…何であんなやつが望月の隣にいるんだとか思われてそう…」


「それはないよ。なんで藤堂の近くに俺がいるんだって思われてるんだよ」


「二人とも、それも違うと思うよ」




そういえば、望月を囲んでいた女の子たちはどこに行ったのだろう。



周りを見ると、先輩や、同級生にまざってギャラリーとなっていた。




「本当にそろそろ行こうか、羅衣。」


「おっけー」


「じゃ、じゃあね、望月。」


「ばーいもっちー」




羅衣が望月の横を通り過ぎて私もそれについていこうとしたとき。





「ま、まって!」




望月に手首を掴まれた。



わー、つかまったーきゃーー





じゃなくて。何この状況…




「う、うん。はいなんでしょう」



うわぁぁぁあ!なんとか平静を保ってるけどなんだこれ....

時間が0.01秒経つにつれめっちゃはずかしい!



前まで話したくても話せない存在の望月だったのにほっぺも触らせてもらって、わたしも触ってもらうっていう?!
(注:触られたのは手首です)





「同じクラスなので一緒に行きませんかね…?」





なるほど、そういうことか。



確かに一人で教室にはいるの抵抗ある人いるかも!望月はそういうタイプなのかな?



いやでもまた0.1秒、0.1秒と経ってどんどんはずかしい!!


もうなんでも!!いきましょう望月!



「う、うん、全然いいよ!いつもいる周りの子たちの代わりになれるかは謎だけど。」



「?じゃあ、行こっか。」



< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop