時を繋ぐ真実の物語<「私の獣」番外編>
「全く読めないわ……」
そこに書いてあるのは、ただの古文体ではなかった。まるで文字の体を成していない不可解な記号が、つらつらと隙間なく埋められている。
「いわゆる寄稿というものでしてね。常人には、とてもではないが読むことが出来ないのです。これは旧ロイセン王が懇意にしていた占星術師の家系に伝わる独特な文字で、彼らにのみ解読可能なのですよ」
ルドルフの説明に、アメリは困惑していた。
これでは、計画が狂ってしまう。
「その、占星術の一族は今でもロイセン王国に住んでいらっしゃるのですか?」
「ええ。記憶が確かなら、リエーヌの外れの森に邸を構え、今でも占い家業をしているはずです。今の当主は、ロナルド・ケプラーという男ですよ」
アメリの瞳を見つめながら、ルドルフは丁寧に教えてくれた。
そこに書いてあるのは、ただの古文体ではなかった。まるで文字の体を成していない不可解な記号が、つらつらと隙間なく埋められている。
「いわゆる寄稿というものでしてね。常人には、とてもではないが読むことが出来ないのです。これは旧ロイセン王が懇意にしていた占星術師の家系に伝わる独特な文字で、彼らにのみ解読可能なのですよ」
ルドルフの説明に、アメリは困惑していた。
これでは、計画が狂ってしまう。
「その、占星術の一族は今でもロイセン王国に住んでいらっしゃるのですか?」
「ええ。記憶が確かなら、リエーヌの外れの森に邸を構え、今でも占い家業をしているはずです。今の当主は、ロナルド・ケプラーという男ですよ」
アメリの瞳を見つめながら、ルドルフは丁寧に教えてくれた。