時を繋ぐ真実の物語<「私の獣」番外編>
猛毒によりアメリが昏睡状態に陥り、二年の眠りから目覚めて三ヶ月が過ぎた。
アメリの容態はすっかり良くなり、今では城の中を自由に行き来している。
カイルは、アメリに対して異常なほど過保護になっていた。
二人でいる時は隙あらば愛の言葉を囁かれ、常に体に触れていたがる。
人前では体裁はわきまえてはいるものの、出くわす度に向けられるアメリの身を案ずる視線には、きっと誰しもが気づいているだろう。
昏睡状態に陥る前の、ヒヤヒヤするほどにあまのじゃくなカイルとはまるで違う。
悪魔や悪獅子と揶揄され、氷の刃のようにアメリを突き放していたことなど嘘のようだ。
けれども、カイルの深い想いが身に染みる度にアメリの胸は痛むのだった。
眠りから目覚めなかった二年間、アメリがどれほどカイルを苦しめていたかを、感じ取ってしまうからだ。
今では英雄と崇められ、国民から慕われているカイルだが、その生い立ちは決して華やかではなかった。
金色の髪を持って生まれたがゆえに城の者から虐げられ、誰にも本当の自分を理解されないまま、カイルは孤独に生きて来た。
きっとアメリは、カイルの孤独に寄り添える唯一の存在なのだと思う。
それなのに二年間カイルを置き去りにしてしまったことで、彼により深い孤独を味わわせてしまった。
アメリの容態はすっかり良くなり、今では城の中を自由に行き来している。
カイルは、アメリに対して異常なほど過保護になっていた。
二人でいる時は隙あらば愛の言葉を囁かれ、常に体に触れていたがる。
人前では体裁はわきまえてはいるものの、出くわす度に向けられるアメリの身を案ずる視線には、きっと誰しもが気づいているだろう。
昏睡状態に陥る前の、ヒヤヒヤするほどにあまのじゃくなカイルとはまるで違う。
悪魔や悪獅子と揶揄され、氷の刃のようにアメリを突き放していたことなど嘘のようだ。
けれども、カイルの深い想いが身に染みる度にアメリの胸は痛むのだった。
眠りから目覚めなかった二年間、アメリがどれほどカイルを苦しめていたかを、感じ取ってしまうからだ。
今では英雄と崇められ、国民から慕われているカイルだが、その生い立ちは決して華やかではなかった。
金色の髪を持って生まれたがゆえに城の者から虐げられ、誰にも本当の自分を理解されないまま、カイルは孤独に生きて来た。
きっとアメリは、カイルの孤独に寄り添える唯一の存在なのだと思う。
それなのに二年間カイルを置き去りにしてしまったことで、彼により深い孤独を味わわせてしまった。