憧れの舞台俳優は✗✗でした

イベント当日

憧れの舞台俳優、明石昴First Fhoto Book発売記念イベント

に行けることになったあかりはずっと上の空だった。

今まで明石の出演している舞台やイベントの抽選に

ことごとく落ちていたので、よけい浮かれてしまっていた。

(最近ガチャ運悪かったから当たったんかもな...

ってか明石さんと一対一で至近距離でしかも明石さんが

私のこと見てくれるとかしんど…しんどすぎて何も言えなくなりそう…

一緒に写真も撮れるんだよな…家宝不可避だわ…)

とぐるぐる考えていた。

友人にも、

「あかりってば最近二言目には明石さんって言ってるよね(笑)」

と言われるほどだった。




そして、遂に当日。

イベントに行けることが決まった日から2週間、服装を考えいた。

…が、全く決まらない。おまけに寝坊までしてしまい、

電車の時間まであと15分もない。取り敢えず手当たり次第の服を

クローゼットから出し、

顔を洗い、化粧の下地とリップだけを塗って急いで家を出た。



何とか電車に間に合い、イベント会場の書店に着いた。

急いできて汗をかいたので、クーラーが効きすぎている書店でも

十分涼しく感じられた。

(よかった…まだ時間ある…メイクと髪大丈夫かな…)

急いだせいなのか、緊張のせいなのか、

あかりは鼓動を高まらせながらエスカレーターに乗った。

会場にはすでにイベントに参加する人で溢れていた。

(うわ、もしかして高校生私だけ?OLっぽいお姉さま方しか

いない気がする…)

と、少し心配になってきた。


あと5分。

緊張して手が震えてきた。

緊張をまぎらわす方法はシャベッターで

呟くことしか思いつかなかった。

『あと5分………………緊張する……行ってきます!!!!!!』




そして遂に明石昴が現れた。

定評のあるクールな表情の中に大和撫子のような上品な微笑み

を浮かべていた。

黒のカーディガンに

白のロングTシャツ、ジーパンというシンプルな服を身に纏って

いたが、185㎝の長身にとてもマッチしていた。

「皆さん、こんにちは!明石昴です!今日は僕のFirst Fhoto Book発売記念

イベントに来ていただきありがとうございます!

今日は楽しみましょう!宜しくお願いします~!」

「ヴっ……………」

あかりは声にならない声を出し、心から拍手をした。









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