親友だから 【 短編小説 】
由実の帰る方向にある一本の電信柱。
その陰から、ひょっこりと現れた由実。
…………っなんで!?
「……あっ、おーい夏樹!ごめんやっぱ夏樹の様子が変だから、心配で見張っちゃってた!」
そう言って私に大きく手を振る由実。
「……っ逃げて由実!!」
私は声を張り上げた。
それと同時に、私は由実のもとへと走り出す。
「…………なに、どうした…………っえ…………?」
由実の前で足を止めた黒いパーカーの男は、あの時と同じようにポッケから手を出し、
そして、隠し持っていた包丁を
振り上げた。