暴走族の姫 Ⅱ
二つの命と…。
施設事件から、数ヶ月…。
「ゲホッ気持ち悪い…吐そ。」
6月に入り、私の体調は目眩から始まって悪化の一途を辿っていた…。
「悠…。病院行くぞ。」
そう切り出したのは、優喜だった。
持病が悪化しているのは確かだったし、行って自分の状態を知るのもいいかもしれない。
車を運転したのは、沙羅で助手席に蘭。
後ろの座席には優喜に抱かれた私が乗っていた。
勿論、麗はお留守番である…。
「なんで!?僕だけ留守番なのさ!」
それは日頃の行いが原因ではないだろうか…。
誰もがそう思った。
車で何回か吐き気の波はあったが何れも外に排出されずに済んだ。
病院に着き、車で待っているという沙羅と蘭に弱々しくてを降った。
「優喜ーー!此方よ!」
ストレッチャーを医療関係者数人で運んできたのは姉貴だった。
事前に連絡を入れておいて良かったと心底思った。
「あい、らさん?」
掠れた声で、姉貴の名前を呼ぶ悠は痛々しいほど衰弱が見てとれた。
それから悠はすぐに検査された。
その検査でわかったことに俺は喜びもしたし、なんとも言えぬ悲しみが押し押せたりした。
その喜の方は悠のお腹の中には2つの命が宿っているという事実。
そして、悪い結果の方は悠は持って後一年だという事実だった。
その事に追い討ちをかけるように、お産は母体に相当の負担をかけるようでほぼ確実に余命を縮める事は確実ということだった。
「そんな…。なんで。俺たちは幸せになれないのか。クソッ何でだよッ!」
悠は、病室で静かに眠っていてとても余命を宣告されている少女には見えなかった。
そっと悠の頬に触れた。
まだ暖かい。生きている。
「ん…どうしたの?大丈夫だよ…。ね?」
悠。俺は今あるものを全力で守る。
「ゲホッ気持ち悪い…吐そ。」
6月に入り、私の体調は目眩から始まって悪化の一途を辿っていた…。
「悠…。病院行くぞ。」
そう切り出したのは、優喜だった。
持病が悪化しているのは確かだったし、行って自分の状態を知るのもいいかもしれない。
車を運転したのは、沙羅で助手席に蘭。
後ろの座席には優喜に抱かれた私が乗っていた。
勿論、麗はお留守番である…。
「なんで!?僕だけ留守番なのさ!」
それは日頃の行いが原因ではないだろうか…。
誰もがそう思った。
車で何回か吐き気の波はあったが何れも外に排出されずに済んだ。
病院に着き、車で待っているという沙羅と蘭に弱々しくてを降った。
「優喜ーー!此方よ!」
ストレッチャーを医療関係者数人で運んできたのは姉貴だった。
事前に連絡を入れておいて良かったと心底思った。
「あい、らさん?」
掠れた声で、姉貴の名前を呼ぶ悠は痛々しいほど衰弱が見てとれた。
それから悠はすぐに検査された。
その検査でわかったことに俺は喜びもしたし、なんとも言えぬ悲しみが押し押せたりした。
その喜の方は悠のお腹の中には2つの命が宿っているという事実。
そして、悪い結果の方は悠は持って後一年だという事実だった。
その事に追い討ちをかけるように、お産は母体に相当の負担をかけるようでほぼ確実に余命を縮める事は確実ということだった。
「そんな…。なんで。俺たちは幸せになれないのか。クソッ何でだよッ!」
悠は、病室で静かに眠っていてとても余命を宣告されている少女には見えなかった。
そっと悠の頬に触れた。
まだ暖かい。生きている。
「ん…どうしたの?大丈夫だよ…。ね?」
悠。俺は今あるものを全力で守る。
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