暴走族の姫 Ⅱ

動き出す

ｶﾞﾁｬﾝ
















俺は寝室の扉を閉め、月冴の元へと向かった。














Ｌ字型のソファで寝ている月冴の隣で本を読むことにした…。















優喜side




俺は、俺達はどこで間違えたのだろう…。

















悠を守るためにとった行動が逆に仇となってしまった。
















蘭は迷わず、悠についていってそんな蘭を俺は少し羨ましく思った。














悠に出ていかれてから既に3時間が経とうとしていた…。















悠の出ていく前の顔が忘れられない…。
















人は心の底から哀しんだときこんな顔をするのだと初めて知った…。















麗「このまま悠とお別れは嫌だ。」














沙羅「そうですね、しかしこのままでは連れ戻しても何の解決にもなりません。」
















優喜「あぁ…。これから俺達は進藤 唯と悠の親子という縁を絶ちきる…その為に動く。」
















～悠と蘭が月冴家に来てから1ヶ月～


悠side





「ここに逃げてきた日からは考えられないほど顔色よくなったな。」
















お兄ちゃんが頭を優しく撫でてくれる…。
















それだけのことでもとっても安心する…。
















この一ヶ月体調的にも精神的にも限界だった私は












少し目を開いては直ぐに寝てを繰り返した生活を送っていた…。















それが落ち着いてきたのがつい二日前ほどからだった。














蘭「ここで倒れたときは本当に心配した。俺、悠がどんな選択をしてもついていく。」















この言葉は私を少し大人にした。















珠兎とは少しずつ話すようになり、今ではもう一人のお兄ちゃんのようだ。