暴走族の姫 Ⅱ
新しい命とその犠牲
月冴side
「ニュース見たぞ?ありがとな。悠とあいつの縁を断ち切ってくれて。」
俺と珠兔は職業柄、あらゆるジャンルのニュースをいち早く知る。
優喜が起した裁判も話題になる前にすでに知っていた。
「いや、多分これはしないといけないことだったんです…。こんなに上手く行くとは思いませんでしたけど。」
電話越しに聞こえる優喜の声は前にあった時より随分と大人びていた。
そのことに少し嬉しさを感じながら、悠の近状報告をしようと思ったが、それは蘭の声によって遮られた。
「月冴!!!来て!!!!」
寝室で気を失って寝ているはずの悠は、ベットの上で苦しそうに唸っていた。
「月冴さん!悠どうかしたんですか!?」
電話からした優喜の声にハッとした。
「悠の陣痛が始まった…!沙羅んとこの病院へ行くからお前達も来い!」
蘭は、気が気じゃないという様子で指示を出さなければ動かなそうだ。
「俺は悠を下まで運ぶから、珠兔は車回してくれ。蘭は入院用の荷物持ってくれるか?」
俺の声で蘭は動いた。
車に乗り込むと、一層苦しそうにしている悠は顔色もみるみる悪くなっていった。
「ハァハァイタっハァハァ‥」
額には汗が滲んでいる。
「間隔短くなってきてるな。」
珠兔は運転しながら悠の間隔を測ってくれていた。
「ニュース見たぞ?ありがとな。悠とあいつの縁を断ち切ってくれて。」
俺と珠兔は職業柄、あらゆるジャンルのニュースをいち早く知る。
優喜が起した裁判も話題になる前にすでに知っていた。
「いや、多分これはしないといけないことだったんです…。こんなに上手く行くとは思いませんでしたけど。」
電話越しに聞こえる優喜の声は前にあった時より随分と大人びていた。
そのことに少し嬉しさを感じながら、悠の近状報告をしようと思ったが、それは蘭の声によって遮られた。
「月冴!!!来て!!!!」
寝室で気を失って寝ているはずの悠は、ベットの上で苦しそうに唸っていた。
「月冴さん!悠どうかしたんですか!?」
電話からした優喜の声にハッとした。
「悠の陣痛が始まった…!沙羅んとこの病院へ行くからお前達も来い!」
蘭は、気が気じゃないという様子で指示を出さなければ動かなそうだ。
「俺は悠を下まで運ぶから、珠兔は車回してくれ。蘭は入院用の荷物持ってくれるか?」
俺の声で蘭は動いた。
車に乗り込むと、一層苦しそうにしている悠は顔色もみるみる悪くなっていった。
「ハァハァイタっハァハァ‥」
額には汗が滲んでいる。
「間隔短くなってきてるな。」
珠兔は運転しながら悠の間隔を測ってくれていた。