暴走族の姫 Ⅱ
俺はこのとき覚悟した。















「女の子に付き添われる方はこちらへ!」














子供たちが今いるべき場所へ向かって何時間立っただろうか。













バタバタバタバタバタ









「すみません!!どいてください!!!」















慌てた様子の看護師たちが、手術室に入っていき、それからすぐに執刀していた医師が出てきた。















「哀堂 悠のご関係者の方はいらっしゃいますか!?悠さんとお子様の容態をご説明させていただきます。どうぞこちらへ。」















それから、落ち着いた雰囲気の部屋に通され、新生児科の医師と産婦人科医と脳外科の医師、心臓外科の医師が俺たちの前に座った。
















「まず、悠さんの容態を産婦人科医の高藤 海と桐生先生がご説明させていただきます。」












………。












「目が覚めない?」












 
    


悠は、心臓だけなでく今までの生活で脳の血管も脆くなっており、






その血管が限界に達して、脳の中で破裂して、





脳の中に血がたまりその結果脳に多大なるダメージを与えたことにより、





植物状態になっている可能性が高いと診断された。














「明日検査して、脳死判定する。それで、全てがわかるわ。現実的な話をすると、ドナーになるかならないかも決めてもらわなくてはならないからそのつもりでね。」



















俺は、全く信じられずにいた。













覚悟していたはずなのに、悠がもう目を覚まさない?














そんなはずないじゃないか。















ポタポタ















「ゆ、き?泣いてるん、ですか?」















そう、沙羅に問われて気づいた。
















「ぅぅう…。」















悠が目を覚まさないなんてことないよな?
















< 22 / 28 >

この作品をシェア

pagetop