暴走族の姫 Ⅱ
そして、合格祝に家でパーティーをすることになったのだ。















そして、ここで悠と俺の子供達の命名を発表する。















ガチャ
















「親父、久しぶり。」








 







親父は俺の肩を、労う様にぽんと叩いた。
















「中で待ってるぞ。」
















リビングの扉を開けたその先には、愛しい俺達の子供達がベビーベッドにすやすやと寝ていた。















今日は、女の子の方も一時帰宅で一緒に帰ってる姉貴が体調を管理してくれている。















「おそかったじゃん!優喜!」















久しぶりにまともに見たみんなの顔はとても、今まで暴走族をしていたとは思えないものだった。















俺達の代は、俺と悠の子供が生まれた次の日に引退を発表した。















後の愛哀乱舞は、後輩たちに託した。
















やはり、俺たちには悠と過ごしたあの場所にいると辛くなる。

 













そう思ったのだ。
















それに、俺にも守るものができてそれらは、自分の身を守ることができない。
















パーティーも盛り上がりが最大になったとき、俺はみんなの視線をこちらに向けさせた。
















「今日、お越しくださいました皆様にご報告がございます。では一つ目、私は医学部に合格しました。そして、国家試験を合格し医師になることを誓います。二つ目に私が愛した人との子供が生まれましたことをご報告申し上げたいと思います。長男の陽(はる)、長女の聖(せい)です。ご迷惑を掛けました皆様に改めて謝罪と感謝を申し上げます。」

















俺の挨拶と報告にパーティーに来ていたその場の全員が固まった。
















何故か、それは、俺が暴走族でやんちゃ坊主だと知っていたからである。
















こんなにも、変わった俺を見て皆は固まっているのだ。















愛哀乱舞で同期のほんとんどが俺達とともに引退をして、この場にいる。















そいつらは、これまで思ったことを振り返り涙した。















これからは、その仲間達と沙羅の父親が経営する新設される病院を任される予定だ。

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