冷酷な王さまは愛し方を知らない
「キース!余計なこと言わなくていい」
「ですが、いつまでもアルさまのベッドを占領させるわけには…」
「あの、私はすぐにでもベッドを明け渡しますから…」
「ドレスの生地が硬かったお陰でナイフは途中で止まったが、傷は浅いわけじゃない。もうしばらく安静にしておけ」
キースさんはあまりよく思っていないのがわかる。
でも、それは当然のことで私だってそう思う。
それなのに、アルさまは何ともないようにそう言った。
「あの…ルナさんは…」
「拘束し、父親もろとも事実関係を明らかにし、領土剥奪及び国外追放だ」
「追放…」
それほどのことをしたのだ。
一国の王の殺害を実行しようとしたのだ。
それは、国に対しての裏切り。
ルナさんは…その為にここに来たんだろうか。
王妃候補としてではなく。