冷酷な王さまは愛し方を知らない
「私たち、王さまにあまりいい印象もっていないじゃない。それを改善するためとも言われてるわ」
「改善、されるの?」
「さあ。開かれた王城っていうのを示したいんじゃない?」
王族の考えることはわからない。
「でも、もし見初められたら王妃さまよ?」
「見初められるわけないよ」
「わからないよ!ほら、もしそうなったらリズのお母さんの病気だって…」
「そのために結婚、なんて…!」
確かにお金は必要だ。
私のお母さんは重い病に侵されている。
その治療には莫大な治療費がかかる。
だから私は切り詰めながら必死で働いているのだけど…。
「ごめん。冗談だったけど、良くなかったわね」
「ううん…。ムキになっちゃってごめんね」
「でも、当日一緒に行こうね。全員参加らしいから、行かなきゃ」
「…うん。でも、私ドレスなんて持っていないわ」
買うお金なんてないし。